祐一 「なぁ、真琴」

真琴 「なによぅ」

祐一 「一つ聞いていいか?」

真琴 「なーにー? 真琴は今忙しいんだからっ、つまんない用事だったらコロすわよぅ」

祐一 「今日は俺と真琴でどっかぱーっと遊びに行くはずだったよな?」

真琴 「そうだったっけ?」

祐一 「今となっては俺も甚だ自信はないが、多分そうだったんだよ」

真琴 「ふむふむ………………………で?

祐一 「で? って言われるとどうしようもないんだが、それを踏まえて一つだけ疑問が」

真琴 「だから早くいいなさいって。まったく、祐一はほんとーにうどんなんだから」

祐一 「ちなみにそれを言うなら愚鈍、だからな」

真琴 「…………」

祐一 「無視かよッ!!」

真琴 「いいから、祐一も早く読みなさいって。今度の漫画も中々イケてるわよぅ」

祐一 「だからっ! 俺が言いたいのはっ! 何で今も俺たちはお前の部屋で黙々と漫画を読み続けなけりゃならんのかって話なんだよッ!!」









今夜は漫画談義 〜恋風のアブナイ恋!?〜









真琴 「というわけで、今夜もやってまいりました『今夜は漫画談義』! 今回は何故か対談形式でお送りするわよぅ」

祐一 「…………」

真琴 「ちょっとっ! 祐一も喋らなきゃ対談になんないでしょっ! ちょっとは真琴の都合も考えてくれなきゃ」

祐一 「これ、お前の都合なん?」

真琴 「いや、作者の都合だけど?」

祐一 「…………」

真琴 「…………」

祐一 「なぁ真琴。一つだけ、言ってもいいか?」

真琴 「…………」

祐一 「アイコンの無い対談ってなんでこんなに寂しいんだろうな」

真琴 「それは言わないのが世間一般の常識ってもんでしょッ!! しょうがないじゃないっ、この作者に画力なんてあるはずないんだからっ!!」

祐一 「…………」

真琴 「…………」

祐一 「こ、こほん」

真琴 「…………話、進める?」

祐一 「そうだな……」

真琴 「というわけで、これは真琴と祐一がこれ! と思った漫画についてガチで朝まで語り尽くすという某漫画夜話もびっくりな漫画企画よっ」

祐一 「要するに漫画について語りたいわけだな」

真琴 「そういうことねっ」

祐一 「暇人

真琴 「こらそこっ! そういうこと言わないっ!! こう見えて意外と傷つきやすいんだからっ!!」

祐一 「で? 今日は何について語るんだ?」

真琴 「……(ぐっ、流したわね……)」

祐一 「需要もありそうだし、前回と同じくサイカノか?」

真琴 「いえ、それについてはまた後日改めて、ということにして、今回はイブニングで連載されてたこともあり、2004年にアニメ化もした『恋風』という作品よっ」

祐一 「お前、めっちゃ詳しいな」

真琴 「あ、あうっ!?(やばっカンペばれた!?)」

祐一 「ま、まぁ俺も読んでみたけど、結構シリアスで王道すぎるほど王道なラブストーリーだよな」

真琴 「恋愛物にありがちな三角関係もほとんどないし、気持ちが離れたりくっ付いたりっていうのもなし。ぶっちゃけると退屈って言われてもおかしくないわよぅ」

祐一 「ヒロインが主人公の実妹ってのを除けばな」

真琴 「…………(あぅ〜)」

祐一 「しかも最終的には18禁的展開アリ

真琴 「…………(あぅあぅ〜)」

祐一 「エロゲですらそうそう越えられない壁ひょいと越えてしまった作品と言えよう」

真琴 「あらすじ……説明していい……?」

祐一 「おう!」

真琴 「28歳で結婚相談所に勤める主人公・佐伯耕四郎は恋人と別れたばかり。外面はショックを受けてないように装ってたけど、実際はかなりショックを受けてたの」

祐一 「長く付き合ってた恋人に『あなた、本気で人を好きになったことないでしょ?』だもんな。タフな俺でも思わず不能になっちまいそうなキッツイ別れ文句だぜ」

真琴 「そこで、見知らぬ女子高生・七夏と出会うわけね」

祐一 「実際は、両親の離婚で幼いころに別れた実の妹だったんだけどな」

真琴 「耕四郎はそれと知らずに実の妹・七夏の前で、泣いてしまうの」

祐一 「耕四郎にとっては、全く知らない女子高生だったわけだしな。もう会う事もないと思って油断しちまったんだろう。俺に言わせりゃ見知らぬ女子高生がほいほい自分についてくるっていうシチュ自体ありえないんだが」

真琴 「じと〜(お前が言うな!)」

祐一 「そ、それでだな! その後、その七夏と耕四郎(+父親)の生活が始まるんだ」

真琴 「そこから二人の心が徐々に近づいていくっていう心理描写が細やかよね。そこらのエセ萌え漫画爪の垢でも煎じて飲むといいわよぅ」

祐一 「心理描写って、七夏のパンツの匂いを嗅ぐとかか?」

真琴 「こらっ! それは言わないのがお約束でしょっ!!」

祐一 「ま、まぁそんなこんなで、結局二人は実の兄妹という壁を越えて幸せになれるのか!? っていう展開だよな」

真琴 「『天使禁猟区』とか『加奈 〜いもうと〜』を思い出すわねっ」

祐一 「あのな、真琴。天使禁猟区はいいとして、加奈は18禁エロゲだぞ? なぜお前がそれをプレイしている?」

真琴 「と! ともかく! そういうテーマを真正面から描いた作品としては、かなり希少な価値があると思うの!」

祐一 「うーん、でも俺はこのラストはどうも納得いかないな。結局逃げるでもなし、開き直って居直っただけのような気がするんだが」

真琴 「二人の周囲にいる人で、二人の関係を知っているのは結局千鳥だけだしね。さっきも名前出したけど『天使禁猟区』の刹那の居直りっぷりには負けるにしても、この二人も中々これから大変そうよね」

祐一 「まぁ俺としては七夏激萌えだから別にいいんだけどな」

真琴 「結局そこか」

祐一 「結局そこだ」

真琴 「真琴は千鳥が結構気に入ってるわよぅ。途中までの必要以上のベタベタっぷりに、てっきり耕四郎のこと好きなんだとばっかり思ってたけど、終始良い友達のポジションを保ち続けたのには正直驚いたわよぅ」

祐一 「そう考えると本当に必要最小限の人にしかモテない主人公だったよな。昨今の、というかラブコメ漫画は大抵必要以上にわらわらと周りの女に好かれる主人公が多いけど、こいつはそういう意味ですごくストイックだった」

真琴 「祐一もちょっとは見習いなさい(笑)」

祐一 「…………七夏萌えの話に戻していいか?」

真琴 「しょうがないから許可してあげるわよぅ」

祐一 「なんといっても恋風で最も注目すべきは七夏だろう。例え天地が裂けようがこれだけは譲れん。正直漫画読んでて素で萌え転がりそうになったのは、これが初めてだ」

真琴 「普通に読んでた場所満喫だったからねぇ。周りの人がかなり気味悪がってたと思うわよぅ。あからさまにパステルちっくな装丁の本を読んでニタニタしてる男がいるんだから」

祐一 「うっせ! 七夏がポイント高いのは、明らかに最後まで普通の女の子としていてくれたことだな。可愛いだけじゃなくて、実家に帰れば駄々もこねるし、耕四郎にも平気で文句言ったり困らせたりもする。それでも一途に最初から最後まで耕四郎のことを好きでいてくれた。これはポイント高いですぜ、ダンナ!」

真琴 「あー、祐一はあからさまなツンデレとか萌えっ子はあんまり好きくないもんねー」

祐一 「七夏は正直そういうくくりで見たくないなぁ。個人的にありえないくらいの可愛さで描かれてるから。本気で持って帰りたいと思ったもん。本気で」

真琴 「祐一、マジで目がギラギラしてるから。おーい、帰ってこーい!!

祐一 「七夏タン・・・・・・ハァハァ('д`;)

真琴 「え〜……祐一が向こうの世界に逝ってしまったので今回はここで終わりっ! まったねーっ!!


<続く……のか!?>




next
back
戻る

inserted by FC2 system