セット おりびい
私はあいつとセットになるために生まれてきた
私はあいつに負けるために生まれてきた
あいつは多くの人から求められる
私を選んでくれた人も次にはあいつを選ぶ
私たちは一緒でありながら一緒でない
誰よりも近くにありながら私たちには決して越えられない差がある
最近私たちのすぐそばに現れた人がいる
でもまたあいつが選ばれる
ときどき気まぐれのように私を求めてくるけれど次はまたあいつを選ぶ
もう疲れた
信じることに疲れた
期待を裏切られ続けることに疲れた
今日もまたあの人が私たちの前に現れた
お願い何も言わないで
どちらも選ばれなければまだ希望が残る
ほんのわずかの希望でも私に残して
「クドリャフカ、醤油とって」
「はいなのです」
なぜ、私の中にいるのは醤油でなくソースなの
なぜ、セットで売ってあったのに私でなくあいつが醤油さしに選ばれたの
憎い、あいつを選ぶあの女が憎い
憎い、選ばれるあいつが憎い
憎い、あいつを求める全てのものが憎い
憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い