My Sweet Sweet Girl 橘
おんなのこって なんで できてる?
おんなのこって なんで できてる?
おさとうと スパイスと
すてきな なにもかも
そんなもんで できてるよ
(マザー・グースのうた)
ルマンド、プリッツ、ポテトチップ。
大好きなお菓子がたっくさん。
ガトーショコラに、クッキーに、シュークリームもごいっしょに。
お菓子に囲まれて、私はとってもしあわせ。
エクレア、ミルフィーユ、パウンドケーキ。
だけど、お菓子はすぐ無くなって。
食べかす、ビニール、包装紙。
残るは、ゴミと空腹感。
食べ足りない。
私は空に向かって、独りつぶやいた。
最近、お菓子の量がどんどん増えていってる。なのに、私の空腹感が満たされることは無かった。
以前だって、たくさんお菓子を食べていた自覚はある。でも、こんな量ではなかったし、満腹感だってあった。
だけど、今は全然違っていた。もしかしたら、私のお腹に穴が開いていて、そこから食べたものが出ていってしまっている?最近では、そんなヘンなことさえ考え始めていた。
そもそも、私たちは本当は体を動かしてなどいないのに、何でお腹が空くのだろう?・・・・・・まあ、この世界だったら、何があっても不思議じゃないよね?
私は考えるのを諦めて、視線を自分の肩に向ける。りんちゃんが私の肩に寄りかかって眠っていた。
安心しきった、無邪気な赤ん坊のような寝顔。
可愛いなあ。
私はりんちゃんのほっぺたを人差し指でちょんと、つついてみた。
「ん、むう・・・・・・」
りんちゃんはむずがると、顔を背ける。
春の、やわらかな日差しに照らされて、りんちゃんのほっぺたに、うっすらと産毛が生えているのが見えた。白くて、柔らかな、りんちゃんのほっぺた。それはまるで、白桃のように瑞々しかった。その果肉は、歯を立てるまでもなく、唇だけでかじれてしまいそうで、かじると甘い蜜が口の中にあふれる、そんな様子がありありと思い浮かべることが出来た。その途端に、口の中からたくさん唾液が出てきた。私は喉を鳴らして、自分の唾液を飲み干す。
私は、吸い寄せられるように唇をりんちゃんのほっぺたに近づけた。
「・・・んん・・・こまり・・・・・・ちゃ・・・・・・」
りんちゃんの寝言に、私は我に返る。私の唇が、りんちゃんのほっぺたに触れそうな距離で止まる。
そこで、昼休みの終了を告げる予鈴が鳴り響いた。
りんちゃんの体を揺さぶる。
「りんちゃん、りんちゃん。お昼休み終わるよ」
「・・・ん・・・・・・」
りんちゃんが目を覚ます。気だるげに目をこすりながら、私の方に向き直る。
「おはよう。りんちゃん」
「・・・・・・うん。おはよう・・・・・・」
・・・・・・私はさっき、何をしようとしていたのだろうか?
今日は、お泊り会の日。
私とりんちゃんは、いつも通り一緒にお風呂に入る。
「は、恥ずかしい・・・・・・」
恥ずかしがるりんちゃんの背中を流してあげる。私がスポンジで触れるたびに、びくびくと反応するから、見ていて楽しい。耳の後ろを洗おうとしたときの反応なんかは、特に面白かった。なんだか、本当に猫さんをお風呂に入れているような感覚。でも、猫さんの反応なんかよりも、きっとずっと可愛い。
「は〜い。流しますよ〜」
シャワーで泡を洗い流す。泡の下から、白くて綺麗な肌が姿を現した。
私は、りんちゃんの背中に体をぴったりと合わせてみた。
「こ、こまりちゃん!?」
りんちゃん、声が裏返ってる。
「・・・・・・ん。りんちゃん、すっごくどきどきしてる」
りんちゃんの体を通して、りんちゃんの心臓の鼓動が聞こえてくるようだ。早鐘を打つような、そんな鼓動。りんちゃんの生きる力が感じられるようで、とても嬉しい。
「ねえ、りんちゃん。私もどきどきしてるの、わかる?」
「う、・・・・・・うん。こまりちゃんもすっごいどきどきいってる・・・・・・」
「・・・・・・そう。ありがとう」
ごめんね。りんちゃん。私の胸の鼓動は、ニセモノなんだよ。
りんちゃんの体は、こんなに細くて小さいのに、とってもやわらかい。肌もすべすべで、さわると気持ちいい。それに、とってもあたたかい。
りんちゃんの体温と私の体温が一緒になるまで、私はりんちゃんの背中に覆いかぶさったままの体勢でいた。
顔を上げると、りんちゃんの首筋が見えた。白い肌は恥ずかしさのためか、桜色に染まっていた。
「ひやっ!!」
りんちゃんの首の付け根に、そっと口付けた。跡にならないように、ただ口を付けるだけ。でも、何度も何度も口付けているうちに我慢できなくなり、私は首の筋に噛み付いた。歯は立てずに、まずは唇だけで首の筋を押しつぶす。首の筋がこりこりと気持ちいいから、軽く歯を立ててその感触を楽しむ。あ、これは癖になるかも。りんちゃんが抵抗してこないのをいいことに、私は夢中でりんちゃんの首筋を噛んだ。
どれくらい、こうしていたのだろうか?
「こまりちゃん、痛い・・・・・・」
「えっ!?」
りんちゃんの痛がる声で我に返る。りんちゃんの体から離れると、首筋に歯形が残っていた。りんちゃんの背中が震えていた。ごめんね、・・・・・・ごめん。私は歯形を指でなぞると、りんちゃんに謝った。
「りんちゃん、ごめんね。痛くない?」
「うん。だいじょうぶ」
「・・・・・・ごめん。りんちゃんの背中を見てたら、何かこうしたくなったの。怖かったよね・・・・・・」
「ううん。こまりちゃんだから・・・・・・怖くない」
「ありがとう・・・・・・」
りんちゃんに先に出てもらい、私は一人、頭からシャワーを浴びる。額に手を当て、目をつぶる。
あんなにくっきり歯形が付くほど、強く噛んでいた。どうして、ああなる前に止めなかったのか。自分の中に、何か止められない衝動がある。寒気がした。
夜、気付くと、私のそばでりんちゃんが、裸で横たわっていた。どういうわけか、私はその事実に全く驚かない。
私は、自然にりんちゃんの首筋に手を添える。脈は既に無く、息もしていなかった。そう、今度は私と同じように。
私はりんちゃんの首筋に、唇を這わせる。舌を這わせ、りんちゃんの肌の味をたのしむ。そして、柔らかい首に私の歯を立てた。今度は甘噛みではなく、あごに力を入れて。
りんちゃんの肌が破ける。ぬめりとした、あたたかい血が私の口に広がる。生臭い鉄の味。でも、私にはそれがとても愛おしく、夢中ですすった。今の私は、まるで母を求める乳飲み子のようだった。そう考えると、自分が滑稽に映った。
何度も何度も、私はりんちゃんの肌を引き裂き、血が出るたびにそれを飲んだ。
顔を上げ、りんちゃんの首を見る。私の唾液でてらてらと、妖しく光を反射する。りんちゃんの首には、私の歯形がちょうど花のように咲き乱れていた。
私は再び、りんちゃんの首筋に歯を立てる。今までよりももっと、ずっと力を込めて。肌を突き抜け、肉をえぐり、太い血管を噛み切る。途端に血が噴き出す。それを飲み干そうとするが、口の両端から血が漏れ出してしまい、私のあごを汚した。りんちゃんの血は、私のあごから流れ落ち、私の首、胸、おなか、太ももを真っ赤に染め上げる。
血をあらかた飲み終えると、今度はりんちゃんの首の肉を噛み千切る。私の歯が肉を切り裂き、引き千切る。りんちゃんの首の肉は、ちょうど鶏肉のささみのような食感。味は、血の味しかしない。私は奥歯で小さく噛み砕いた後に、それを飲み込んだ。
自分の腹部をさすってみる。りんちゃんの血、りんちゃんの肉が私の中にあるのを手で感じる。これがやがて消化され、私の血肉となる。そうしてやっと、りんちゃんは私の一部になるんだ。
お腹の中があたたかい。私の中にりんちゃんがいる。ずっと感じていた、お腹に穴が開いているような、そんな感覚。それが、ゆっくりとりんちゃんで埋められていくのを感じる。口の端が、自然に吊り上る。
そこでようやく、目が覚めた。
外を見る。夜が終り、朝になったばかりの新鮮な空気で、満ち満ちていた。
それなのに、私だけが未だに夜を引きずっていた。心臓がバクバクと、張り裂けそうになっていた。
しかし、こんなに気分の悪い夢を見た後なのに、おなかがすいていた。
朝食にはまだ早い。私は、机の引き出しからチョコバーをひとつ取り出すと、それにかじりついた。
校舎に向かう道すがら、私は一人で登校するりんちゃんに出会った。いつもは恭介さん達と登校しているのに、どうしたのかな?日直だったっけ?
「あ、りんちゃん。おはよ〜」
「・・・・・・ああ、こまりちゃん。おはよう・・・・・・」
りんちゃんの顔色がちょっと悪い。今日のりんちゃんは、色々ヘンだ。
「具合・・・・・・悪いの?」
「だいじょーぶだ・・・・・・。気にしなくていい」
りんちゃんが恥ずかしそうに返答する。微かに、血の匂いがした。ああ、なるほどね。
私はりんちゃんが気後れしないよう、あえて元気良く言った。
「ん。じゃあ、一緒にゆっく〜り行きましょ〜」
りんちゃんの歩幅に合わせて、ゆっくりと歩いていく。
まばらに登校している、他の生徒たちを眺めながら歩いていく。
ところで何で、血の匂いがわかったの?
そう思った途端、足元がふら付いた。急に目の前が真っ暗になる。私の上空を取り巻く空気が、重りとなって私を襲う。全身を締め付けられるような痛み。私はそのまま膝を付く。汗が体中の毛穴から吹き出す。体が熱くなる。
「――――こまりちゃん、こまりちゃん!どうしたんだっ!?」
りんちゃんの手が、私の肩に触れた。
りんちゃんの顔が、私の顔を心配そうに覗き込んだ。
りんちゃんの瞳が、私の顔を映しこんだ。
私の口が、血で真っ赤に染まっていた。
夢に見た映像が、再生される。
喉を食い破る。
血をすする。
頬を食い千切る。
耳を引き千切る。
指を噛み千切る。
腿を食い荒らす。
胸を引き裂く。
心臓を引き抜く。
食べたい。
食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい。
「―――いやっ!!」
気が付くと私は、りんちゃんの手を払っていた。
「こまり、ちゃ・・・ん」
りんちゃんは目を見開いて呆然としていた。涙がりんちゃんの頬を伝う。おねがい、そんな顔しないで。
りんちゃんの肌の質感が、舌の上によみがえる。
「ごめんね、りんちゃん。ちょっと気分が悪くなっちゃった。今日は休むって・・・・・・先生に伝えてくれないかな?」
「・・・・・・だいじょうぶか?あたしが付いていこうか?」
それはゼッタイに駄目。
りんちゃんの血の味が、口の中によみがえる。
「ううん。・・・・・だいじょーぶ、だから。・・・・・・だから、りんちゃんは先生に伝えておいて。ね?」
りんちゃんの目が泳いでいた。どうすべきか悩んでいるようだ。おねがい、これ以上一緒にいないで。
りんちゃんの肉の感触を、私の歯が思い出す。
しばらくすると、唇をきっと真一文字に閉じ、りんちゃんは言った。
「うん。わかった。・・・・・・でも何かあったら、あたしにでんわしてくれ」
「うん。ありがと。りんちゃん」
りんちゃんと別れると、私は安堵の溜息をつき、体を引きずるようにして寮に戻っていった。何度も壁に手を付き、体が落ち着くのを待つ。足りない。食べ足りない。
部屋に戻ると、自分の鞄の中や机の引き出しを漁る。食べ足りない。私は買い溜めしたお菓子を、中から引きずり出すと夢中で貪った。食べ足りない。
ルマンド、プリッツ、ポテトチップ。
包装を無造作に引き千切り、中身を口に詰め込む。
ガトーショコラに、クッキーに、シュークリームも。
あごが外れるんじゃないかという勢いで、柔らかいお菓子たちを無慈悲に噛み砕く。
エクレア、ミルフィーユ、パウンドケーキ。
水も無いのに、無理やり飲み込む。
バウムクーヘン、ビスケット、カップゼリー。
だけど、お菓子はすぐ無くなって。
食べかす、ビニール、包装紙。
残るは、ゴミと空腹感。
私は、脂汗をかきながらベッドに横たわる。こんなにこんなに食べたのに、全然ぜんぜん食べ足りない。それどころか空腹感は大きくなる一方だった。私の胃袋は、もうぱんぱんに膨れ上がっているのに。それでもそれでも、食べ足りない。
こんなもの、いくら食べても、あの味には遠く及ばない。
胸から熱いものがこみ上げる。私は飛び起きると、トイレに駆け込んだ。
バウムクーヘン、クッキー、ポテトチップ。
唾液で練られた、お菓子の破片が混じってる。
ガトーショコラ、エクレア、ビスケット。
チョコレートの色が混じってる。
シュークリーム、プリッツ、カップゼリー。
プルプルとした、赤い破片が混じってる。
ルマンド、ミルフィーユ、パウンドケーキ。
お菓子はみんな肌色の、吐瀉物になって。
胃液、胃液、胃液。
残るは、ゴミと空腹感。
トイレに胃液とお菓子の混じった、吐瀉物の匂いが充満していた。甘ったるいけど酸っぱい匂い。その匂いに、再び吐き気を催す。
胃の中身が逆流する。今度は薄茶色の液体しか出てこない。
目から涙が出てきた。喉が胃酸でひり付いて、呼吸を整えるのも一苦労だ。
私はトイレの床に座り込む。吐くまで食べたのに、私の空腹感は未だ衰えることを知らない。食べ足りない。
本当は、こんなもの食べても無意味だって、もう分かっているのに。
そう、私が食べたいものは、私の血肉にしたいものは・・・・・・・・・。
私は体育座りになり、頭を膝にくっつけるようにして丸くなる。体が微かに震えていた。 私は、自分が怖かった。
理樹君。ごめんね。私は救われたつもりになっただけ。まだまだ駄目だったんだ。
恭介さん。どうか、どうか私をこの世界から排除してください。もう限界なんです。私がここに居る限り、この衝動は誰にも止められそうにありません。早く、早く、早く。そうしないと、私が、私の中の何かが、りんちゃんをぐちゃぐちゃに、喰い殺してしまう。
誰かお願い。私を殺して。
「―――こまりちゃん、こまりちゃん」
「ふぇ?」
私を揺さぶる人が居る。私を呼ぶ声がする。
―――りんちゃんだ。
「そろそろ、海が見えるって。きょーすけが言ってた」
車の振動が心地よくて、いつの間にか眠っていた。
いつか見た夢を、夢の中で見ていた。あの時の、不安で息苦しい感覚。もう忘れたと思っていたのに。
私は、自分の不安な表情を悟られまいと、狭い車内で伸びをする。そして、りんちゃんの方に向き直った。
「おはよう。りんちゃん」
「うん。おはよう」
窓の外を眺める。曲がりくねった崖沿いを、車は走っていた。この狭くて暗い道が終われば、いよいよ海らしい。
すると不意に視界が開け、目の前に青色が現れた。アスファルトの灰色と、草木の緑。それらに囲まれた寂しい色彩の中に、ぱっと現れる明るい青。
わたしとりんちゃんは感嘆の声を上げる。
「うわあ・・・・・・」
「あと15分もすれば、海岸に着く。そしたら、ちょっと遅くなったが昼飯を食おうぜ」
く〜〜っ。
恭介さんの言葉を聞いて、りんちゃんのお腹が可愛らしい音を立てた。
「・・・・・・う・・・」
りんちゃんは恥ずかしそうに私の方に目を向ける。私に聞こえていないか、気にしているのだろう。でも、ざんねんでした。聞こえちゃいましたよー。
私は足元のバッグの中をまさぐった。着替えが荷物の大半で、食べるものなんて、もう何にも入れていないはずだけど。あ、あった。
缶入りのドロップを取り出すと、りんちゃんに手渡した。
「甘いものを食べると、お腹が空いたのをがまんできるのです。はいっ」
「・・・・・・うーみゅ。・・・・・・あ、ありがとう」
りんちゃんは恥ずかしがりながらも、素直に缶を受け取った。缶から赤色のあめ玉が、りんちゃんの手へと零れ落ちる。りんちゃんの小さな唇に、赤いあめ玉が吸い込まれる。
「・・・・・・あまい」
りんちゃんは顔を綻ばせながら、私に缶を返す。
缶を振ってみた。まだまだ沢山ありそうだ。
「みんなも、どーぞ」
私は、他の皆にも缶をまわした。皆、口々にお礼を言って、あめ玉を口の中に入れていった。
缶が車内を一周して、私のもとに戻ってくる。
缶を振ってみた。だいぶ減ったけど、まだまだありそうな音だ。
私は車の窓を開けた。そこから手を伸ばし、蓋の開いた缶を振ってみる。
色とりどりのあめ玉が、缶から飛び出して、地面に吸い込まれる。地面で砕けて跳ねたあめ玉が、夏の日差しを受けて、きらきらと、輝いた。
赤や、黄緑、紫に、水色。
そんな色の光が混ざり合い、飛び跳ね、散乱した。
「こまりちゃん!!何やってんだ!?」
りんちゃんの手が、私の背中に触れた。
「え?えーっと、謙吾君と真人君に、おすそわけ〜、かな?」
遥か後方から「何じゃこりゃぁぁーー!」と叫ぶ真人君の声が聞こえた。
私とりんちゃんが、顔を合わせて笑い出す。
大丈夫。私にはもう、あんなもの必要ない。
目の前の、小さくて可愛い女の子。彼女が、私の欠けた穴を塞ぐもの。
彼女が居て、私が居る。
自分の中に居なくてもいい。
だって二人とも、同じように生きているから。
二人の体は離れていても、きっと心は繋がっているから。
私はりんちゃんの耳元に近づき、ささやいた。
「りんちゃん。ずっと一緒にいようね」